<「肌」と「皮膚」はどのような相違があるのか>
肌と皮膚とは同じものだと思っている人もいるかもしれませんが、それはある意味で当たっていてある意味では間違っています。辞書などで調べてみるとこの二つの言葉はだいたい同じような意味で使われています。ですがこの二つの言葉は化粧品や医薬品などに関する法律においては微妙な違いがあるのをご存知でしょうか。
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「肌」と「皮膚」の具体的な違いについて
医薬品や化粧品に関する法律では肌と皮膚という言葉は明確な違いがあります。化粧品に関する法律で肌といった場合には皮膚の一番上の部分を意味しています。このことを説明するためには皮膚という組織の構成を詳しく説明する必要があります。
皮膚は動物の身体全体を覆っている組織のことをいいます。この組織があるので動物は内部の器官を保護することができ、また体温を一定の状態に保つことができます。
また動物によってはこの組織で呼吸ができるものもいるので、動物が生存するためにはなくてはならない組織です。組織は大きく分けて三つの部分から形成されています。それが表皮と真皮と皮下組織の三つです。
これらの組織が重なり合って存在していることにより、動物の生命活動を支えています。
皮下組織と真皮について
皮膚は三つの部分でできていますが、表皮と真皮と皮下組織の中でもっとも人間の身体の内側にあるのは皮下組織です。この部分のすぐ下には筋肉の上部分である筋膜があります。
ですから皮下組織は筋肉と直接接している部分ということになります。この部分には真皮よりも繊維質の密度が低い組織で形成されています。皮下組織には脂肪が蓄積されているので、栄養の保存をするはたらきがあります。
また皮下組織の脂肪は体温を保つ働きもあります。この皮下組織のすぐ上にあるのが真皮とよばれる部分です。この部分は性質の異なる二つの部分から形成されています。
上側にあるのが乳頭層と呼ばれる部分で、下にあるのが網状層です。下側にある網状層はさらにその下にある皮下組織と明確な境界がありません。
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真皮とその上の上皮について
皮膚の中間に位置している真皮は外部からの刺激に対して身体を保護する役割を果たしています。
そのために網状層は繊維質の組織になっています。この網状層に有名なコラーゲンが含まれています。密度の濃いコラーゲン繊維の結合体の内部に弾性を持つ繊維が広がっていることにより、皮膚にしなやかさを与えています。
そしてこの真皮の上にあるのが表皮と呼ばれる組織です。この組織も一番下の基底部分からいくつかの層に分かれています。基底部分のすぐ上にあるのが有棘細胞の層で、その上に顆粒細胞の層があります。その上が淡明層で、一番上側にあるのが角質層です。
法律的に皮膚とはこれら皮下組織、真皮、上皮のすべてのことを言いますが、肌とはこの中でも上皮の中の角質層のことを意味しています。
まとめ
このように普段なにげなく使用している肌という言葉には、法律的には細かい意味が存在しています。肌とはあくまで皮膚の三つの組織の中の一番上の部分の、そのまた上の一部分に過ぎないことになります。
ですから肌に浸透するということは正確には角質層に浸透するということを意味しています。肌は角質層までのことを指していますから、その下のコラーゲン繊維が存在している真皮の網状層まで必ずしも浸透するわけではないことを同時に意味しています。
このような意味を正確に知っている人はあまりいないために誤解がされることも多いのですが、正確な意味合いを理解しておくことで、より正しい肌に関する商品選びに役立ちます。肌が角質層のことを意味している以上、この角質層に効果がある成分が含まれているものを選ぶことで、より良い商品を選ぶことができます。
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