2016年7月19日(Tue)
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過度な紫外線対策はNG?紫外線を何分浴びると有用な作用を得られるのか
紫外線対策 / 2016年7月19日(Tue) / fine
この記事は約 4 分で読めます。
美しい肌を保つために紫外線対策をすることは、特に女性にとって今や当たり前のこととなっています。それは、紫外線がしみ・シワ・たるみの原因として、さらに皮膚がんや白内障の誘因として広く認知されているからです。
…でも、そんな紫外線にも有用な作用があり、それを妨げるような行き過ぎた紫外線対策が、むしろ私たちの健康を脅かしているのではないかと警鐘を鳴らす研究も発表されています。
さて、紫外線の有用な作用とは一体?また、そのメリットを得るにはどの程度日光を浴びれば良いのか?―今回はそれらについてご紹介したいと思います。
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紫外線の効用① ~骨や歯、筋肉を強くする~
紫外線を浴びることで得られる大きな効果は、皮膚組織でのビタミンDの生成です。ビタミンDは唯一体内で生成できるビタミンで「骨のビタミン」とも呼ばれています。
皮膚で作られたビタミンDは、肝臓と腎臓を経て活性型ビタミンDという物質に変化し、小腸のカルシウム吸収などを助けながら血中のカルシウム濃度を一定に維持しています。
また、骨を破壊する細胞(破骨細胞)と形成する細胞(骨芽細胞)の双方に関わり、古い骨細胞が壊され新しい骨細胞が正常に作られるようコントロールもしています。
つまりビタミンDは、私たちの骨や歯の形成にとって欠かせない存在で、たとえカルシウムをしっかり摂取していても、ビタミンDが不足すると骨が弱くなってしまうのです。
また、ビタミンDは筋肉の合成を促す作用もあわせ持ち、筋力の低下を抑制・増強する役割も担っています。
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紫外線の効用② ~免疫機能に働きかける~
紫外線を浴びると免疫機能が低下するとよく言われます。
これは、表皮にある免疫細胞(ランゲルハンス細胞)が紫外線による影響を受けやすく、ダメージを受けるとその部位の自己防御機能がうまく働かなくなることが原因です。
しかし一方で、紫外線を浴びることで体内の免疫機能が高まることも知られています。
先に紹介しましたビタミンDが、こちらも免疫細胞であるナチュラルキラー細胞の活動やマクロファージの病原体食作用(細菌や異物を自らの中に取り込んで消化してしまう働き)を活性化させるためです。
紫外線の効用③ ~代謝を促進~
紫外線には全身の代謝や発育を促進させる作用もあります。喉にある甲状腺(ホルモン分泌腺の一種)を紫外線が刺激することで各細胞の新陳代謝が活発になるのです。
この時、体内のカロリー消費量も増加します。紫外線には脂質を分解してコレステロールや中性脂肪を分解するという働きもあるため、私たちの健康的かつ美しい身体作りを、紫外線がサポートしてくれているとも言えるのです。
紫外線をどのくらい浴びればいいの?
上記の効用を得るには、日焼けするほどの紫外線量を必要としません。
例えば、骨や歯、筋肉を強くすることを目的とするなら、夏季であれば、両手の甲もしくは掌、及び顔をおおよそ15分間日光に当てる程度、または日陰で30分間過ごす程度で十分とされています。
また、免疫機能に働きかける作用や代謝を促進させることを目的とするなら、体調や肌の調子を見ながら、日焼けをしない程度になるべく日光浴をすると良いと言われています。
なお、ビタミンDについては、紫外線UV-Bでのみ生成されます。ガラスはUV-Bを通過しませんので、窓越しにいくら日を浴びても効果が期待できません。同様に、日焼け止めクリームを塗ってしまっても、その部分の生成は0になってしまいますのでご注意を…!
まとめ
紫外線を強く浴びることにはリスクがあるわけですが、逆に全く紫外線を浴びない生活も体を内側から弱らせてしまい、結局、美や健康を損ねてしまうと言えます。
ビタミンDは食品からも積極的に取り入れたい栄養素です。ただ、バランスの良い食事を心掛ける上で、ビタミンD含有量の高い食品(鮭や鰻など)を毎日食べるわけにもいきませんので、紫外線浴と合せて対策をとると良いでしょう。
太陽光には紫外線の他にも、赤外線による血行増進・神経や筋肉の緊張緩和、可視光線による生体リズムの調節・自律神経の働きの正常化など、私たちにとって多くの良い働きがあります。ご自身の体調に合わせ、短時間からゆっくりと、日光浴の恩恵を受けるライフスタイルを実践されては如何でしょうか…?
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