2016年9月24日(Sat)
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肌の水分量は足りていますか?弱い肌の特徴とトラブルが起こる仕組みについて
肌のお手入れ / 2016年9月24日(Sat) / fine
この記事は約 5 分で読めます。

きちんとケアしているのに「吹き出物」や「かゆみ」が止まらない、繰り返し「皮が剥ける」…こんなトラブルを抱えている人の肌に共通して言えること、それは肌の水分量が少ないということです。
多くの場合、角質層(表皮の一番外側の組織)の水分量が10%以下(20%前後が望ましい)を示し、さらには、その角質層内でレンガ状に積み重なっている角質細胞に、まだ核が残っている現象(不全角化)がみられます。角質細胞は通常、表皮の最奥にある基底層で生まれてから表皮の一番外側まで押し上げられてくる過程(ターンオーバー)で核が消失し、最後は垢として剥がれ落ちます。しかし、肌表面に外傷や炎症などが起きると、その傷んだ箇所を修復しようと細胞が著しく増殖し、ターンオーバーのサイクルが通常より早まります。その中で、核が残った未成熟なままの細胞が表層に表れてきてしまうのです。
そして、角質細胞同士の間を埋めている細胞間脂質の主成分・セラミド(脂質の一種)が減少している様子も多くみられます。水を大量に抱え込む性質のあるセラミドが不足してしまうと、体内より補給されている水分を角質層に保持できないまま体外へと蒸発させてしまうことになります。セラミドは、角質細胞の核が失われる過程で生み出されることから、その減少にもターンオーバーサイクルの異常が関わっていると考えられています。
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肌質は人それぞれ~自分に合った化粧品を探そう!
では、肌を傷つけず、ターンオーバーサイクルを正常に戻すにはどうしたらよいのでしょうか?
まずは、自分に合った化粧品を見つけることです。
化粧品を見極める際におススメなのは、化粧品のラインナップのうち、試したいアイテムだけを入れ替えて、他のアイテムはそのままに1ヶ月使用してみることです。同じシリーズのライン使用を推奨するメーカーもありますが、弱い肌の方は少し慎重に一つずつ試していきましょう。結果も判断し易くなります。
(ただし皮膚に明らかな異常を感じる場合は無理をせず、直ちに使用を中止してください。)
テスト期間を1ヶ月とするのには、二つの理由があります。一つ目の理由は月経周期。排卵前1週間はエストロゲンの効果で体調とともに肌の調子も自然に良くなる一方、生理前1週間はプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で調子は下降します。1ヶ月を通じて使うことにより、肌質が変化する中でのアイテムの効果、使い時などを知ることができます。そして二つ目の理由は、ターンオーバーサイクルが、約1か月(通常28日間前後)であることです。新しいアイテムを試し始めた頃に表皮の基底層で生まれた細胞が、1か月経ってちょうど肌の表面に押し上げられてきます。表皮組織は、生まれた時からずっとそのアイテムの影響を受けているものに全て置き換わった状態になりますので、結果をより正確に確認できるというわけです。
肌質に合った化粧品を使い続けると、冒頭のようなトラブル症状が減るほか、クレンジング後、スキンケアをせずに暫く放置した素肌の触り心地にも変化が出てきます。肌に柔らかさが戻り、さらっとした感触(洗顔後に分泌された皮脂膜によるもので、理想イメージは赤ちゃんの肌です!)に以前より近づいていれば正解です。
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肌質改善のために気をつけること~スキンケアとメイクアップ
日々のスキンケアやメイクアップ方法についてもポイントをおさえておきましょう。
メイク落としには様々なタイプがありますが、一般的に、「クリーム<乳液<ゲル<オイル」の順に、右に行くほど洗浄力が強く作られています。メイクを落とす際には、過不足なくきっちりクレンジングをすることが肝要ですから、メイク落としはいくつかのタイプを用意しておき、その日のメイクに合ったものを使うと良いでしょう。
さらに、肌質に悩みを持たれる方は、そもそも強い洗浄を必要とするしっかりメイクの頻度をなるべく少なくし、普段は、保湿した肌にパウダーファンデーション(ファンデの中では弱いクレンジングで落とせます)で整える程度のメイクを心掛けるようにします。パウダーには紫外線を反射する働きもありますが、紫外線対策がもっと必要な日には、同様の保湿ケア後、SPF15~20/PA+~++程度の紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)の日焼け止めの上に、パウダーを重ね付けして対処するようにします。帽子や衣類・日傘なども併用しましょう。SPF50やPA++++など指数が高いものは、肌に負担がかかる紫外線吸収剤を多く含み、洗浄の際にも強いクレンジング力を必要としますので、弱い肌の方は使用を避けられることをお薦めします。
そして、化粧水や美容液には、細胞間脂質の主成分であるセラミドや、保湿に効果のあるコラーゲン、ヒアルロン酸などを配合したものを使い、角質層の水分保持に努めます。
肌のバリア機能を低下させる化粧品の成分
皮膚は、体内の水分を保持しつつ、化学物質や細菌・ウィルス、紫外線といった外部刺激から生体を守る防御機能をもつ臓器です。「弱い肌」は、その防御機能(バリア機能)が低下した状態と言えます。
残念ながら、化粧品に使用される「界面活性剤」は、そのバリア機能を低下させる場合があることで知られています。界面活性剤とは、簡単に言うと水と油、液体と固体などといった異なる物質の境界(界面)の性質を変化させるもので、化粧品の状態をクリーム状や泡状といった風にコントロールしたり、機能面でも洗浄や浸透といった働きを持っています。それらの利点から多くの化粧品に使用されているのですが、特に洗浄を目的として配合されている場合には肌にダイレクトに作用するケースが多く、注意が必要です。先程「メイク落とし」について触れましたが、その選び方・使い方が適切でないと、本来の目的である古い角質やメイク・皮脂を落とすだけでなく、肌に必要な角質層や皮脂膜も傷つけてしまう点で危険なのです。
まとめ
肌のために毎日せっせとケアしているのに、良い効果が出ないどころか、そのことがトラブルの原因にもなり得るというのはとても切ないことです。自分の肌に合った化粧品を選び、適切に使うということは実はとても大切なこと。まずはご自身の化粧品とケアの点検から健やかな肌を目指しましょう…!
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